緊急帰国から前期破水で入院するまで

長い事日記を書かなかった間に、いろいろと想定外のことが発生し、予定日よりおよそ2ヶ月早い2月15日に実家の福岡にて女児を出産し、この私もとうとう母となってしまった。

帰国して、予定日までの2ヶ月間で、なんとか出産すると言う心の準備ができるだろうと踏んでいたのが、あれよあれよと言う間の出産となったのだが、事の発端は前の日記にも書いた「破水らしきもの」である。2/7に中国の病院では「大丈夫」と言われ、半信半疑ながらも、マア、1週間も待たずに帰国だし、ととりあえず自分を納得させていたのだが、その夜やはり結構な量の、しかもピンク色の破水があった。そこでもう一度病院に行く事も考えたが、もし前のが誤診とすると、また行っても同じ事だろうし、逆にそこで「やっぱりこれは破水である」と診断されてしまうと、日本に帰れなくなるかも、と言う事がなにより恐怖であった。

そこで、2/12 のチケットをすぐに2/8に変更した。飛行機は11:20なので、朝イチで荷造りを済ませて出社し、産休・辞職・復帰オファー書等の必要な手続きや、デスクの片付けを済ませながら、出社してくる同僚達に事情を説明して会社を後にし、家に戻って荷物の準備をしてくれているモリ君を拾って空港へ向かい、そのまま帰国ということになったのである。

福岡に着くとその足で出産予定の病院へ行き、事情を事細かに説明して診断してもらったのだが、なにしろ破水の現物である「羊水」が無いため、いくら内診をしても、エコーをとっても異常はなし。結局中国の病院と同じく、私が言う「破水らしきもの」は恐らく「水っぽいおりものもしくは尿漏れであろう」と診断されてしまった。私は当然完全に納得出来たわけではないが、日本の経験のあるお医者さんが大丈夫と言うんだし、マア、とりあえず日本に帰って来られたからと安心し、翌日からはまた精力的に活動を続けていた。ただ、夜寝ている時の「破水」は相変わらず続いており、でも「夜だけだから」と自分を無理矢理納得させていたところ、2/10の昼間から夕方にかけて続けて破水してしまい、すっかり怖くなって夜急いで病院に電話した。すでにその日の診察時間は終わっており、看護師さんも「今日は九大の外来の先生の日で、もう帰られたんですよねえ、カルテでは月曜日に診察して先生に大丈夫って言われたみたいなので大丈夫とは思うんですけど、どうしても心配なようでしたら先生に戻ってもらいますので、来て下さい」とのんびりした口調。

病院について、九大の先生が戻って来るまで30分程待ち、それから内診、エコーと見てもらったのだが、結果はやはり前の二人と同じ、羊水の量も十分であり、異常なし。それでも私が相当心配して、いろいろ聞くので、採血し感染の可能性(もし本当に破水であれば感染の恐れがある)を調べてくれることになった。検査の結果が出るまで、モニター(子供の心拍と母親のお腹の張りを見る機械)をつけていたのだが、この際運良く「破水」が起ったので急いで先生に見てもらった。

それまでは「大丈夫」とのんびり口調だった先生も、私の実際の破水を見た途端顔を厳しくして「これはほぼ間違い無く破水やね」と言い、pH試験の結果でアルカリ性を確認してから、NICUのある国立の医療センターに連絡し、夜中に移動、そこで正式に「恐らく高位破水による前期破水」と診断され、即入院に至ったのである。

私は中国で最初に破水した時から、これは絶対に「破水だ」と思って、ネットでも調べまくり、少量の破水が継続して起るこのケースは恐らく「高位破水」だろうと素人ながらに踏んで、感染を恐れ、帰国してからもお風呂には入らずシャワーだけにするなど注意はしていた。

それにしても、私があれだけ「尿もれとは違う、おりものにしては明らかに量が多すぎるし、色もピンクだし・・・」等事細かに説明していたにも関わらず、実物を見ていないからと言って、中国の医者も、日本の2人の医者もそれを「妊婦の過剰な心配」としかとってくれず、正確な判断をしなかったと思うと、どうにも腑に落ちない。ネットで調べがつく位なので、私の言う破水が「高位破水」であるというのは稀なケースではないはずだし、もし破水していて感染を起こすとかなり厄介なことになるのだ。

マア、結果として感染はしていなかったので良かったのだが、今回の経験で、病院も医者も絶対的に信頼することはできないな、と改めて悟ったのであった。