心音を聞く/豆に番号がついた

約1ヶ月ぶりの検診。今回から2階の婦人科ではなく、1階の産科にかかることになった。これまでは横目で「相撲部屋のようや」と見ていた場所へ踏み込むことになったのである。とは言え、産科にかかるのは4ヶ月以上の妊婦なので、5ヶ月目の私はまだペーペー、妊婦としての貫禄は全くなく(できたらそんな貫禄つきたくもないが)、なんとなく、自分が居る場所ではない様な感じがした。
産科では、受付に診察手帳を出した後、体重と血圧の測定を行う。私はやっと5ヶ月目に入ったところなんだからまだ体重増加などなく、しかもフツウの状態でやや痩せに入る部類なので、同時に量った何人かの中では飛びぬけて軽く、隣に座っていた付き添いのおばちゃんから「あなた一体何ヶ月なの!」と聞かれてしまった。それにしても、やはり、中国の妊婦は体重管理が全然厳しくないので、日本の妊婦より絶対太っているのは事実だな、と実感。私が聞いていた中で、体重50kg台の人は一人も居なかったのだ、70kg台もフツウ。しかも、待合室では数人の妊婦がむしゃむしゃといろいろなものを食べており、それを見ているだけでぞっとしてしまった。
診察自体は、婦人科よりかなりきちんとしていた。婦人科の時は、順番と言うものがあるようなないような感じで、待っている人は全て診察室に入って、他の人の診察内容を一緒にフムフムと聞くような状態だったのだが、産科ではきちんと廊下で順番待ちし、診察室に入れるのは2人ずつ。今日は、初めて(多分)ドップラーで心音を聞くことができた。最初、ベッドに寝かされ、エコーみたいなのをお腹にぐりぐり当てられて一体何をやっているのかよくわかっていなかったのだが、突然ドッドッドッという音が聞こえてきてお医者さんが「ほら、聞こえた?心音よ、150ね」と言うのではじめてドップラーをやっていることがわかった。いやー、これはさすがにうれしかったかも。これまで何度もエコーをとってきたが、中国では性別を教えてはいけないこともあって、写真など一度も見たことがなく、ただ結果の紙をぴらっともらうだけだったので、もうひとつ実感がわかなかったのだ。血液検査、尿検査の結果も特に異常なし。
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豆にマイクロチップを埋め込みに行く。豆は犬なので、日本に行くとき当然検疫が必要となり、しかも中国は狂犬病がある国なので、手続きが結構厄介なのである。その一つ目が、マイクロチップ。それから、狂犬病の注射と各種ワクチンを接種し、1ヶ月後にもう一度二回目の注射をしなければならない。2回目の注射が終わって、2週間後に血清を採り、日本の検査機関へ送り、検査結果でOKが出れば、豆は「180日間の待機」に入る。180日間の待機後、病院で検査を受けて、ここでようやく日本へ行くことができるのだ。なんと面倒なこと。年末日本に一時帰国する際、血清を持って帰る予定にしており、順調に行けば、来年の夏に豆は日本へ行くことができるかもしれない。
しかし、犬を飼うのに車がないのは本当に不便だと感じた。豆が小さいうちはまだましだったが、やはり、タクシーは犬を乗せるのを嫌がる。汚さないようにちゃんとマットも用意していたのだが、帰りは数台に乗車拒否され、なんとか乗せてくれた運転手もほんまは嫌やということをこぼしていた。マア、当然と言えば当然なんだけど。小型犬なら大き目のバックに入れたり、タオルか何かにくるんで抱いていればいいのだろうけど、豆ほど大きいと抱いてなんていられないし、後部座席に座ることになるのだ。でも、来月、再来月とまたタクシーに乗らないといけないんだよな、ユウウツ。