晴れ

白夜行」を読み終えて、どうも牽強付会な印象で納得いかず消化不良な感じを受けた後「狂骨の夢」を読み、とてもすっきりした。やっぱりこうでないと。どちらも長編小説で、最初はばらばらだったたくさんの点が読み進めていくうちにつながっていくのだが、前者がいくつかの点を放り出したままで残った点を無理やり線につなげているのに対し、後者は全ての点を牽強付会なしに抜かりなく、美しくつなげていく。マア、好みの問題なのかもしれないけど。
して、今は村春短編集にて休憩中、この後はアンナカレーニナの予定。
時々やっぱり、日本語の本がムショウに読みたくなる。翻訳本はもちろん、その物語の輪郭をきちんと残してくれているのだが、日本語自体が持つリズムや言い回しの美しさを失わせてしまう。たまに春秋の花をぱらぱらとめくる、日本語と離れた場所に居て日本語に飢えているから、日本に居た時よりももっと、ひとつひとつの言葉が染み入るのだ、多分。