晴れ

西湖の夕焼け

気づくと大晦日だ。中国はご存知のごとく、新暦ではなく旧暦で年を越すので、ちいとも年越しの気分が出ない。
旅行2日目。友人が杭州旅行に行った際の日記を読んで、西湖はレンタル自転車で回ろう、と決めていた。西湖付近に到着し、どこで自転車借りるのかなー、と地図を見ながら歩いていたら、おばさんが寄ってきて西湖めぐりのレクチャーを始めた。「レンタサイクルで回ろうと思っているんですけど、どこで自転車借りられますかね」「レンタサイクル?だめだめ、今は寒いし、バスで回るのが一番。まず○番に乗って、ココへ行って、ココまで歩いて、ココを見て、ココで昼食をとって、ココから○番のバスに乗って、ココへ行って、コレを見て、ココから船に乗って、ココまで来て、ココで夕食を食べなさい」と自信満々でルートを説明された。そこまで言われると、それも良いかな、と言う気がしたし、ほとんど全く下調べをしてこなかったので、今日はとりあえずおばさんのお勧めに従うことにした。
と言うことで、まずは西湖の南岸部よりバスに乗り、西湖北部にある龍井聞茶へ。ここは龍井茶の故郷、と言ったところである。とりあえず、有名な井戸の水で手を洗い、なんとなく知り合いになったおばさんの小屋(?)へ行って龍井茶をいただく。このおばさん、どうやら龍井茶葉を売っているようなのだが、予想外にセールスをかけてこず、お茶を進めながら世間話をするのみ。セールスをかけられるとそれなりに身構えてしまうのだが、そうじゃないとやはりただお茶をいただくだけだと悪いなあ、と思うのと、いただいたお茶が素直においしかったので、こちらから進んで値段を聞いてみた。先に知り合ったおばさんから「春になると新茶の季節になるから、今はみんな今年の分を売ってしまいたい時で安くなっているはず、夏なら500g7、800元のところ、今は3、400元で買えるよ」と聞いていたのだが、そのとおり、430元と言われた。少し値切って400元となり、150g買って120元。
ここから山道をテクテク歩いて満隴桂雨、虎跑夢泉、六和塔へ行った後昼食をとる。ここまでは、西湖周辺ではあるが湖からちょっと離れており、いわゆる「西湖新十景」と呼ばれる観光スポットである。
その後バスに乗り西湖南岸の雷峰夕照へ。最初に出会ったおばさんもだが、西湖を観光している間、一体何をやっているのかわからないおじさんやおばさんから観光スポットのレクチャーをしばしば受けた。お勧め見所、行かなくて良い所など、人によってまちまちなので、それ程真に受けず、どれも適度に聞き流すようにしていた。
今日の最後の観光は「船に乗る」だったのだが、のんびり回っていたため気づくと4時になっていた。あるレクチャーおじさんから「午後に船に乗るのはもったいない、西湖は朝船に乗るのが一番」と言われていたが、これは無視して本日最終便の船に乗ることにする。この船は西湖にある2つの島に上陸した後自由に散策し、最後は東西南北降りたい港を選ぶことができる。本来であれば、2つの島に上陸した後は時間に制限無く自由に行動し、適当な船に乗って移動することができるのだが、私達は最終便であったため、ゆっくりできなかったのがちょっと残念。
北岸で降りた後、ちょっと早いが西湖では結構有名らしい「楼外楼」と言う店にて夕食をとった。杭州と言えば東坡肉、それから西湖酢魚。私は油っぽいものや淡水魚はあまり好きじゃないから乗り気ではなかったのだが、せっかくだから名物を食べないと、とモリ君が意気揚々と注文してしまった。そして予想通り彼自身も「甘すぎる!おいしくない!」(他の、フツウの料理はおいしかった)
アーお腹いっぱい、と言いつつアイスクリームを食べたのがいけなかったのが、この晩私は胃痛で眠れなかったのであった。