曇り

本来ならば水曜からの維坊への出張が、ついでに青島までサンプルの運び屋もやることになってしまい、火曜出発に繰り上げられた。通常の仕事はパソコンがあれば出張先でも出来るので、1日早く着いてもまあ構わないし、サンプルはものすごく重いとは言え、空港で待っているお客さんに渡すだけだからそれ程しんどいことはないだろうと思っていた。
オリンピックを間近に控え、現在中国の国内便の機内持ち込みは非常に厳しくなっている。1ヶ月前は100ml以下の液体は確認後持ち込み出来たらしいのだが、2週間前に出張に行った別の社員に聞くと、歯磨き粉さえ持ち込め無かったと言う。がーん。私のスーツケースはハードケースでごっついし、3泊の出張にそれを持って行くのはちょっとなあ、と思ってパソコンや資料等仕事の荷物はブリーフケースに入れて機内に持ち込むことにし、他はフツウのショルダーバックに入れてサンプルと一緒に預ける事にした。
そして、火曜の朝空港に届けられたサンプルはいつの間にか3種類に増えており、1番重い荷物は青島で手放すものの、他の2種類は自分で維坊まで持って行かなければならないと言うことが判明した。これに自分の荷物を加えると、えらい大荷物だ。しかも、いつも維坊に行く時は迎えの車が来ていたのに、今回は自分で電車に乗って行かなければならないと言う。たくさんの荷物を持って、空港から電車の駅まで行き、切符を買って電車に乗るなんて、こりゃ女子にはちょっと折衝やわ、と思っていたところ想像以上に面倒であった。
まず、空港からバスで「四方」と言う駅に移動したのだが、降り立った所、どうやら駅が改修工事をしているようでどこが入り口かわからず、重い荷物を持ってよれよれ歩いていると三タクが来て「どこ行くんや?駅?駅は移動したんやで、5元で連れて行くよ」とものすごく聴き取り難い山東弁で話しかけて来た。初めての場所だし疲れていたので何も考えず乗ったところ、なんと長距離バスの駅に連れて行かれたのだった!!!降りた時はわからず、切符売場まで来てそれを初めて知り、なんやこりゃー、とまた重い荷物を抱えて急いで三タクのところへ戻り抗議すると「だってさっき維坊に行くって言ったやん」「私は電車の駅って言ったやろ!!」と息を切らして言うと「そうやっけ?」とりあえずそこからなんとか電車の駅まで戻ってもらったのだが、下ろされたところから駅までは500mくらいあり、そこをまた重い荷物を抱えて歩く羽目になったのだった。私は体力はあるけど、力は無いのだ!!全く、女子にさせる仕事じゃない!!
そうやってようやく辿りついたのに、乗る予定だった高速列車(工場長は新幹線と呼ぶ)にタッチの差で乗れず、結局2時間かかるフツウの電車に乗らなければならなくなった。ちなみに新幹線だと1時間で着く。しかも、そのフツウの列車に乗るのに座る場所も無い駅の待合室に立って2時間弱待たなければならなかった。
ちなみにフツウの電車に乗るのは2年前上海旅行で蘇州へ移動した時以来。その時はものすごく込んでおり、通路はもちろん、向かい座席の間の空間にも立っている人が居ると言うのを体験し、硬座には二度と乗りたく無いと思った。それで今回もかなり怯えていたのだが、予想以上に快適で席も1駅目を越えてからはすかすか、これで29元は安いな、と思った。
おもしろかったのは、乗り込んですぐ各車両毎の担当乗務員が来て挨拶した後、突然セールスマンに変貌したことだ。自家発電ライトに始まり(乾電池が無くても大丈夫!摩擦で発電!)、水晶の数珠(新彊産の本物)、エコカード(これは一体なんなのか結局よくわからなかった)と商品は全て露店で売られているようなうさん臭いもので、セールストークも妖しい事極まりない、のだけどこれが結構売れてたりするのだ。電車の乗務員が売っているんだから、と言う事で皆信用しているのか?
維坊はまるで日本のように蒸し暑い。大連では今はまだ髪をおろしていても何て事は無いのだが、ここではくくらずにはいられない。明日ようやく大連に帰る事が出来る。そして来週はまたここへ戻って来なければならないのだった!!!