曇り後晴れ

203高地

旅順へ行く。いつか行きたい行きたいと思いながら、行きそびれていたので、大連に来て2年、実は私も初めてなのだった。
旅順は軍港がある為基本的には外国人立ち入り禁止であり、観光は必ず旅行会社を通さなければならない。行くコースも決まっており、東鶏冠山北堡塁→203高地水師営会見所の3カ所。日本人向け一般的なツアーで多分1人700元位だと思うのだが、今回は旅行会社で働いているモリ君の友人がタダでガイドをしてくれる、と言うことになり、実費(各観光地のチケット、バン1日貸し切り、昼食)のみ、4人1000元程度で済んだ。
上の3カ所はもちろん日露戦争の跡地であり、日本側からすれば、戦争で勝利を納めた地、と言う感覚で観光に訪れる人が多いのだが、中国側からすれば、侵略戦争と大虐殺の跡地なのだ。各観光地の、中国語の説明書きのあらゆるところにそのことが記されている。が、基本的に、日本人についているガイドはその部分は読み上げないので、恐らくかなり多くの日本人観光客がのほほんとここに訪れ、そんなことなど全く気づいていないのだろう。楽しく観光する場所では無いのだが、楽しく観光出来るように組まれているツアーに参加して、中国人がこの場所で訴えたい事を知らないままで、旅順を訪れる意味があるのか、と思う。誰も、自分の非を受け入れるのはそう簡単なことではない。自分の側からだけでなく、相手の側から歴史を見ることも、きっと必要なのだ。これだけでも、私は旅順に行って良かったと思った。