晴れ

この冬3度目の風邪を引く。まったくやっとれん、何故にこんなに弱いんだか。
昨日は中国では「小年」と言って春節のちょうど1週間前にあたり、餃子を食べる習慣がある。私はお昼職場で餃子を食べ、夜も先日作って冷凍しておいた餃子を食べていたところ、突然工場長から電話があった。「ハサク!ニュース見たか?えらいことやで、餃子が」なんとまあ、中国人が皆餃子を食べるこの日、日本で中国産餃子食中毒事件が起るとは皮肉ではないか。
うちもいわゆる「中国で、中国の原料を使って加工品を作り日本に輸出」している会社なので、この件ではものすごい影響を受けた。今日はその対応に一日中追われる。それにしたって腹が立つ、うちはそれ程大きなメーカーとは言えないが、原料の産地も農家も使用農薬もきっちりトレースできるよう徹底して管理している。調味料の原料(例えば醤油に使われる大豆や小麦等)でさえも。今回の問題は、どこでどうやってメタミドホスが混入したのかまだ明らかではないが、件の天洋食品だけを責めることはできない。結局は日本の会社の管理が甘かったのが一番の原因なのだ。中国で、中国の原料と安い労働力を使って加工し、日本に輸入すると言うのはもちろん安さを求めてのこと。私は会社に入ってまだ半年にもならないが、実際に現場に入り、たくさんの工員と接してわかるのは、彼らは信念を持って働いているわけではないと言うことだ。中卒ですぐ田舎から都会に出て来て工場に入り、1日12時間単純労働をする。彼らは自分たちが作った製品が日本でどの様に食べられるのかだとか、安全な製品を提供しなければ、とか考えているわけでは無い。ただ、お金の為に働くのだ、言われたようにやるだけなのだ。私は管理する立場ではあるのだけど、彼らは私にはできないことをやっているんやと思うと、尊敬して止まない。
彼らは何も考えない、だからこそ、現場を管理するのは彼らを利用している私達の義務なのだ。管理せず、彼らが犯した過ちを責めることは出来ない。日本では、今回のことで単純に中国や中国の食品に拒否反応を示す人も多くいるだろう、と思うととても悔しい。一度失った信用を取り戻すのは、信用を得るときに費やした時間の何倍もかかる、と言うのは当然の道理。これから当分向かい風状態が続くとは思うが、日本人の素晴らしき特徴は「わあっと湧いて、次の事件が起ると何時の間にやらすっかり忘れてしまう」はずなので、早いとこ落ち着いてくれたら良いなあ、と思うのだった。