壬午/晴れ

黄金甲を観に行く。字幕があるのでほぼ理解できた、のだけど、字幕に頼っているうちは駄目なんだよな。チャンイーモウの映画は、活きるとかあの子を探してとか、暗い中にユーモアがある、老百姓を題材にした昔の作品の方が私は好きだな、と改めて思った。英雄にしろ、十面埋伏しろ悪くは無いのだけど、いやそれはそれでとても良いのだけど、その壮大さと完璧さに逆に興ざめしてしまうのかもしれない。
中国は2LDK、3LDKの部屋を借りて見知らぬ人に又貸しする、と言うケースがとても多い。だから見知らぬ男の子と女の子が同じ家に住む(実際、私の相互友達は皆そうなのだ)と言う、日本ではほとんど考えられないことがフツウに起こる。それに関して恐ろしい話を聞いた。ある中国人の女の子がそのように見知らぬ(その家の大家でもある)男の子と住んでいたらしい。そのうち男の子が女の子の事を気に入り、頻繁にその子の部屋に来る様になったため怖くなった彼女は引っ越したのだが、その後「押金を返すので取りに来い」と連絡が入ったのでノコノコ取りに行ったところ、犯されて殺されたと言う。ひえー、こわー、と思っていたら、予想外の事が自分の身にも起こったのだった。
実は私は来学期寮を出て外に住むことになっており、その大家がちょっと変な人かもー、とかなんとか言っていたら、突然今日彼からメールが来た「部屋について相談があるから返信しろ」と。1通目のメールは映画を見ていた時に来たらしく全く気づかず、その30分後くらいに「どうして返信しない!自分の部屋の事なのに気にならないのか!」と言う2通目のメールが来た。なんやこれは、と思いつつ、私が今度入る予定の部屋に現在住んでいるタナカさんに電話して聞くと「いやー、さっき大家から連絡があって、今大連にいなくてハサクの電話番号がわからないけど、どうしても至急連絡したいことがあるから教えろって言われたから教えた」と言う。事情はよくわからないがとりあえず「何?」と返事を送ると「もし私が道理のわからない人間で、突然部屋を貸さないと言い出したらどうする?」と返って来た。なんやそれはー!!!冗談なのか本気なのか全くわからない。が、どう考えても彼と私は冗談を言うような仲では無く、しかもついさっき変な大家の話を聞いたばかりだったので、半パニック状態に陥っていると「どうして返事をしないのか、怖く無いのか、どうして理由を聞かないのか、どうして怒らないのか」と言うメールが来る。これはもしや単にからかわれているのか、と思いつつ「そんなこと今更言われても困る、でも本当に貸せないと言うんだったら、また部屋を探さないといけないから早くお金を返して欲しい」と送ると「もしお金も返さないし、部屋も貸さないって言ったらどうする。ところでお前のメールは間違いがある、もし正しい文章に書き直す事が出来るのなら部屋の事も考え直してやっていい」と返って来た。・・・どう考えてもからかわれている、でももう私もどう返していいのか考える気も起こらず、結局中国人の友達に頼んで対応してもらうことにした。結局どういうことだったかと言うと、仕事の出先で暇になったらしく「私の中国語を鍛えてあげる為に、あのようなメールを送ってあげた」らしい。とんでもなく余計なお世話ではないか。とりあえず部屋はちゃんと予定通り借りる事が出来るのはわかったのだが、この大家と今後顔を合わせることになると思うと憂鬱でならない。(補足しておくと、私は別にこの大家と一つ屋根の下暮らすわけではない)