丙午/曇り

東洋のピサの斜塔

■上海・蘇州旅行5日目
旅行最終日。ホテルをチェックアウトして駅前の旅行会社へ行き、切符を受け取る。そこで荷物を預かってもらって、タクシーで虎丘へ向かう。虎丘は呉王閤閭の墓があると言われている場所で、彼の墓の上に白い虎が現れたと言う故事にちなんでこの名前がついたらしい。ここには雲岩寺塔と言う地盤沈下で傾いた塔があり、私はてっきりこの塔がお墓だとばかり思っていたのだが、閤閭の墓は3000本の嶮が投げ込まれたと言う嶮池だと言う事が判明した。もちろんこれは事実かどうかは定かではないのだが、こういう奇伝が私は大好きなのだ。ちなみにここは「虎丘に行かなければ、蘇州に行ったとは言えない」と言われるくらい中国人が好む場所でもあるらしい。
最後に「蘇州に来てここに行かない日本人はいない」と言われる寒山寺へ行く。寒山寺と言えば除夜の鐘、それから鴎外の「寒山拾得」(私は読んでいない)等で有名な場所である。1回5元払えば鐘をつくことが出来るため、ツアー客が列を作って変なテンポで打つ音がずっと聞こえており、いかにも中国らしいなあと思う。広い境内をゆっくり回って、蘇州の名残を惜しむ。
昼食を済ませた後、火車に持ち込む食べ物を買い込む。何と言っても、24時間3車内食なのだ。車内販売や食堂車もあるのだが、全く期待できない。パンや即席麺やお菓子を大量に買い込み、意気揚々と駅に乗り込む。16:14予定通り蘇州駅を出発する。車内は予想以上に清潔である。三段ベッドが向かい合わせでコンパートメント(と言う程良くはないのだが)となっており、それぞれ小さなテーブルとテレビがついている。私達が乗ったのは3段ベッドの下段2つと中段1つで、上の段程値段が安くなる。車内を探検し、夕飯を食べ、話しているうちにあっという間に消灯となった。寝て起きて、さらに10時間程過ごさねばならない明日は一体どうなることか。