乙巳/晴れ

これが例の「双橋」なのだ

■上海・蘇州旅行4日目
儲さんの案内の元、蘇州から車で1時間ちょっとの所にある周荘と言う町へ行く。元々は自分たちだけでバスに乗り、往復3時間以上かけて行くつもりだった。周荘は水郷古鎮のひとつで、900年以上の歴史を持つ。半日もあればゆっくり廻れるくらいの小さな町で、町中に小さな橋がたくさんかかった運河が流れ、非常に趣がある場所だ。現在はほとんど商業施設として使われているとは言え、現存する住宅の6割が明清時代に造られたもので、もちろん今も実際に人が暮らしている。ちなみに町に入場するには入り口で100元払わなければならない。
儲さんの案内のもと、運河沿いの路を歩きながら、かつてこの町に運河を開いた豪商宅やそれぞれの橋をのんびり見て回る。説明はもちろん中国語なのだが、儲さんは当然蘇州語で少々聴き取りにくい上、ゆっくり話してくれないので細かい所は少々曖昧なままでやり過ごす。例えば「これは有名な橋だ、〜dengが来て有名になった」と言う説明があり、〜dengがわからず「誰のこと?」と聞くと「総統」と言う。dengがつく総統って誰だ、と考えてぱっと思いついたのが李登(deng)輝だったので「李登輝が来たの?」と聞くとそうだと言う。なんだか変だなと思いつつ、その場は流しておいたのだが、後から調べると小トウ(deng)平の間違いだった。それなら納得。
ここの名物のひとつは遊覧船で、現地のおばちゃんが歌を歌いながら船を漕いでくれる。昨日蘇州で乗った遊覧船と違い、とても小さな船で15分もかからない。上海より蘇州、蘇州より周荘は観光地ながらまだまだのんびりした雰囲気を残している。しかし現在はガイドブックのお薦めスポットとしての紹介も増え、じわじわ観光地化が進んでいるようだ。私達がこの町に来る手前の所にも、現在建設中の商業施設があった。数年後にはずいぶん様相が変わっているだろうし、今のうちに来る事ができて本当に良かった。
昼はこの町の名物「沈万三」と言う豚の煮込み、レンコン料理、太湖の魚料理等を食べる。味付けは比較的甘めで日本人の口に合い、とてもおいしい。昼食を済ませて3時頃蘇州へ戻り、そのまま古い城門「盤門」へ行く。ここは春秋戦国呉王閤閭(臥薪嘗胆、で有名)の時代に伍子胥(死人に鞭打つ、で有名)によって造られた仏塔に始まり、数多くの古跡が残されている。私は一応、宮城谷春秋戦国小説好きなのでものすごく楽しめる場所だった。
夜は昨日に引き続き、また王さんに御馳走になった。こういう場合は遠慮せず有り難く受け入れる、と言う中国流にもようやく慣れて来た気がする。マア、王さんは社長さんだから、と言うのもあるのだけど。