癸卯/曇り

豫園の龍

■上海・蘇州旅行2日目
予想通り一人4時過ぎに目が覚める。普段は起きてすぐ、とりあえず何かを口に入れるのだが、うっかり何も用意していなかったのでむなしくお茶を飲みながら皆が起きるのを待っていた。
朝食はホテルの近所の点心屋さんへ行ってみる。近所に住む人々が利用するような小さな店でパジャマのおじさんも居た。注文はレジですませてレシートをカウンターへ出し、テーブルで待つと言う方式。順番が回って来たので、決めていた料理を注文すると早口でばばっと何か言われる。「えっ?」と聞き返すとものすごくイヤな顔をされて、一番最後に回しされてしまった。5分程待ってようやくレジの行列がなくなり、ゆっくり注文することができる。小龍包と海老のワンタンで1人7元、とてもおいしい。
豫園へ行く。入場料40元。ここは上海旅行で一番楽しみにしていた場所だ。しかし、入り口に辿り着く手前にある商場辺りですでに、その人の多さにうんざりしてしまう。GWは過ぎているとは言え、現在は旅行のオンシーズンでしかも今日は日曜日なのだ。豫園内もこうなのか、と心配していたがこちらは意外とすいていてゆっくり回る事が出来た。いつまででものんびりしていたい所だが、お腹がすいてきたので豫園を出て、すぐ隣にある南翔饅頭店へ小龍包を食べに行く。今朝、わざわざ小さな店で小龍包を食べたのも、美味しいと噂のこの店と比較してみる為なのだ。
店は昼時と言う事もあってものすごく混んでいる。日本の様に一列に並んで、席に案内されて注文、と言う方式ではなく、皆がそれぞれ勝手に空いた席を見つけて座り、レジで注文してレシートを服務員に渡すと言う方式だ。そう言うわけで店内が混むのも当然のこと。待つ人は、もうすぐ食べ終わりそうな人のテーブルの横で待機して圧迫を与えながら、狭い店内を更に狭くしている。こういう状況を見てイヤな予感はしていたのだが、注文した小龍包や他の料理を食べてすっかり落胆してしまった。不味いわけではないのだが、観光地にあるフツウの点心の味である。と言うより、朝小さな店で食べた方が美味しかった!!!1人30元。
店を出て湖心亭へ向かう。湖の真ん中にあるこの店にたどり着くじぐざぐ路は狭く、進むのに困難な程混んでいる。この調子だと、更に期待していたこの店もイマイチかもナァとあきらめ気分で入ってみると、意外にも人は少なく、すんなり好きな席に座る事ができた。客は欧米人や日本人しか居ない様だ。私は茉莉仙桃茶を注文した。一緒に出てくるお茶受けはうずらの茶蛋(お茶で煮込んだ卵、中国のあちこちで売っている)、豆腐、甘いお菓子。無くなると何度もお湯をポットに足してくれるので、心ゆくまでのんびり過ごす事ができた。
でも一体どうしてここはこんなに人が少ないのか、と不審に思っていた所、中国人の若い女の子が2人やって来た。彼女達は席に座ってメニューをざっと見た後、結局何も注文せず帰ってしまう。そうか、そうなのだ。湖心亭のお茶は1壺60〜100元程、中国の物価に慣れている私達も最初「結構高いな」と思ったのだから、そんな大金を払ってお茶を飲む中国人はそう多くないのだろう。確かに少々割高には思えたが、そのおかげでゆっくりできると思うとこの値段設定を有り難く思った。
午後は3人分かれてそれぞれ行きたい所へ行く。(私は博物館、フーちゃんは台湾アイドルのポスター探し、ミーちゃんは淮海路へ買い物)2時頃館内へ入り、先にゆっくり見たい展示室を回ってから残りはざっと駆け足で回る。ミュージアムショップで買い物をして丁度5時の閉館となった。十分とは言えないが、まあまた来る機会はあるだろう。
3人再び集まって淮海路にあるこぎれいな広東料理の店に行く。上海で広東料理。ミーちゃんがミニトマトと間違えて、巨大な唐辛子を食べてひどい目にあったことを除けば、ここは上海に来て食べた中で一番美味しくてかなり満足出来た。1人70元。
夕食後、新天地へ行く。この一角は全く中国のようではない。こ洒落たカフェやバーや雑貨屋が集まっており、客はほとんど外国人、もしくはお金を持った上海人のようだ。ここもとにかく人が多くてうんざりする。待ってまで入りたい店も特に見つからないまま疲れ果ててホテルへ戻った。
上海はここまで、明日は蘇州へ移動する。