庚申/曇りのち雨

西大山へ上る、霧で何も見えず

愚人節。ジョギング仲間(と言っても一緒に走っているわけではない)のコバヤシさんに誘われ、山の会に参加する。「軽いハイキングだから」と言うので、普段通りの軽装で集合場所に行ったのだが予想外に皆きちんとしたハイキングスタイルである。しかも山歩きなので暑くなると踏んで、コットンジャケット一枚の薄着だったのに、結局最後まで凍えるような寒さが続いたのであった。そして今風邪をひいている、困ったものだ。
ハイキング自体は楽しかった。私自身元々はハードな山歩きが好みなのだが、年配の方が多いので本当に「軽いハイキング」である。参加者は日本人、中国人、ロシア人、アメリカ人など15人程。英語と日本語と中国語が飛び交う。この山の会は、大連在住の日本人の方が5年前に始められたものなので基本的には日本人が中心である。後に人づてで様々な国籍の人も参加するようになったのだが、中国人は比較的少ない。と言うのもの恐らくこちらでは、日本人や欧米人の様に山歩きを好んでする人が少ないからではないだろうか。もちろん居るには居るだろうけど、日本の様に土日の阪急電車が登山スタイルの年配客で溢れ返る程盛んでないのは確かである。どんなに素晴らしい自然も遺跡も、経済発展だとか大革命だとかの名の元にがんがん破壊して平気な国なのである。そこかしこに、わざわざ悪趣味な装飾を好んでする人達なのだ。何を美しいと感じるか、と言うのは個人個人で違うものだが、国家間でも大まかな違いはあり、中国と日本との隔たりはものすごく大きい。こちらで暮らす上では、あらゆるものに関する「趣味の悪さ」はあきらめて目を瞑るしかないのだ。
などと書いてみたが、この国に対して決してうんざりしているわけではない。私は基本的にはよそ者なのであり、日本との差異に憤慨したり過剰な(勘違いも含む)親近を抱かず暮らして行きたいと思っている。近くて遠い国である、と言う事を根底に置いて客観的にこの国を観察したいのだ。