己未/曇り

テレサテンを歌う

晩、先生を囲みクラスで食事会が開かれる。まだあまり話した事の無かった韓国人学生達とも話す事が出来た。
ある男の子との会話。「日本は先生に当てられると『ハイ』と言うんだよね」「そうそう」「それで、ハサクは授業中先生に当てられるといつも『対』って言うんだよね」「えっ!!!」と私がなぜ驚いたかと言うと、私自身は常に「到」と言っているつもりだったからだ。この「到」は、点呼の時などに返す「はい」と言う意味の言葉である。「対」と言うのは問いかけに対して「そのとおりです」と言う意味にあたり、確かに日本語に訳した時に「はい」と言う返答となることが多い。それで私は多分「対=はい」と言うイメージを持っていて、無意識のうちに言っていたのだろう、恥ずかしい事だ。しかし、これまでも何度この手の間違いをしたことか。男の子に向かって「そこにはボーイフレンドと行ったの?(ガールフレンドと言っているつもり)」と言ったり「中国語が上手ですね」とのお世辞に「私の中国語はなかなか悪くないです(良くないですと言っているつもり)」と言ったり。
食事会の後カラオケ(KTVと言う)へ行く。怪しげな建物に入ると、まず最初に焼き肉屋が現れ、そこを抜けると雀荘、その奥のカーテンをくぐるとなんとバンド生演奏のダンスホールが現れて、中年の男女が手に手をとって社交ダンスを踊っている。そこをぐいぐい突っ切ってようやくカラオケに到達するのだ。機械は古いものの、部屋の感じはまあ日本とそう変わらない。しかし店員を見ると、ボーイ風の男の子達の他は、透け透けブラウスとミニスカートと言う格好の女性が客待ち顔で気怠そうにしており、本来ここはカラオケと言うより場末のキャバレー的なものではないかと想像された。悪くない経験だったが、格別また来たいところではない。