晴れ

これを怪奇現象とよんで良いものか!?(夏ですから)
祖母の神棚にあげていたメロンパン(祖母の好物であった)が白昼堂々何者かに盗まれた。母は嬉しそうに「おばあちゃんが食べたんやわー」と言っているが、まあ真相は十中八九、最近うちの庭の木陰で涼んでいらっしゃるデブ白猫の仕業であろう。それにしたって、まわりの供え物を乱さずかっさらっていく技は見事だ。そう、私の実家は漫画に出て来そうな田舎で、一軒家にもかかわらず昼間は全ての窓を開け放っており、猫でも蟻でも自由に入って来ることができる。
なみこの家に行き、最近寝たきりになったというししに会った。ししは今年15歳のシベリアンハスキーで、若い頃は強面でならしていたものの今ではすっかり優しいおじいちゃんの表情になっている。大型犬でここまで長生きなのは珍しいとのこと。この1ヶ月ほどの間に歩けなくなり、今は涼しい玄関先にベッドを置きそこに日がな寝ている。人と同じで時々体制を変えてあげなければ簡単に床ずれにもなる、またトイレに行きたい時は赤ちゃんの様に「うーうー」と言って訴えるので、20kg以上するししを抱えて外に連れて行ってあげるらしい。なみこはここ最近ずっと玄関先に布団を持ってきてそこで寝ていると言う。私も実家に帰って来た時はしょっちゅう会いに行っていたのだが、次に帰ったとき彼に会えるかどうかは難しそう。でも多分、彼女の家で暮らしたことはししにとって幸せな犬生であったに違いなく、先に死ぬことがわかっていても犬や猫と暮らす生活を何時の日か選びたいと私が思うのは、彼女とししを見ていたことによるところが大きいのだ。今回帰る前に会えて本当に良かった。