癸亥/晴れ

踊る人々

■四川旅行3日目
九寨溝黄龍ツアー1日目。今日はバスで400kmを一気に移動する。
早朝ホテルまで旅行会社のバンが迎えに来て、バス乗り場まで連れて行ってくれる。バンを降りる時に大変なことに気づいてしまった。昨日買ったばかりの辞書が無い!!!電子辞書を盗まれた時以上に動揺して、慌ててホテルへ電話する。たかだか20分前のことだ、ロビーにはホテル関係者以外ほとんど誰も居なかった、きっとまだあるはずだ。と思っていたのに「ありません」とつれない返事。とにかく、ツアーが終わってからもう一度そのホテルに泊まることになっているので、見つかったら置いておいてくれと頼んで電話を切り、自分のアホさ加減に少々落ち込む。「ハサクってそんなに忘れっぽかったっけ?」とヒロちゃんに言われてしまった、そうなのだ、捨ててはいけないものを捨てることと、物を忘れることは子供の頃から治らない私の欠点である。(つまり注意深さが足りないのだ)
気を取り直してツアーバスに乗り込む。すでに席はほとんど埋まっていて、2人並んで座れるのは一番後ろの席しか無い。隣は気の良さそうなおじさん。このツアーは全員で35人程で、私達以外はもちろん全員中国人、湖南、福建、西安等いろいろな場所からやって来ており、夏休みなので、子供を連れて参加している家族もあった。
出発してすぐガイドの説明が始まる。内容は集中して聞いて1/2〜1/3理解できると言った程度だろうか。当然その都度ヒロちゃんに翻訳してあげることなど不可能なので、一息つく毎に大体理解出来た内容を話すようにした。
ほぼ10時間かかってようやく、九寨溝の少し手前の川主寺へ到着した。予想以上に寒く、軽装備で来た事を少し後悔する。この日は10時からチベット民族ショーを見に行く事になっていた。時間も遅い上、疲れていたし行きたくない気持ちの方が強かったのだが、行ってみるとこれがかなりおもしろかった。ショーは1時間半程の構成になっており、歌あり踊りあり観客参加型文化紹介ありでとてもよく出来ている。内容自体もとても興味深かったのだが、私にとってなによりおもしろかったのは中国人のノリの良さである。「さあ、皆フロアに出て一緒に踊ろう!」と言う合図とともに、老若男女問わずどどっとフロアへ出て、盆踊りかクラブかと言う熱気に包まれたのは衝撃だった。その後も、チベット綱引き参加募集には、力自慢の男子が次々参加を表明し、くじで参加者を決める始末である。日本ではあり得ないよなあ、としみじみ感動したのだった。
12:00近くホテルに戻る。疲れているのにやはり今日も眠れない。明日から山間部の観光が始まると言うのに大丈夫なのか。