辛巳/曇り

学校の桜が咲いた!

中国人のシュウちゃんに誘われて、街に買い物に行く。ずっと行きたかった、地下3階の巨大買い物街「勝利広場」へ連れて行ってもらった。ここは百貨店等と異なり個人の店が軒を連ねているため、「値切って買う」ことができる中国的な場所である。気に入ったものはその場で買っておかないと、後からその店に戻ることは不可能、と言われるくらい広くて入り組んでいて同じ様な店がいっぱいある。ぐるりと回って、小銭入れだとかピアスだとかちまちましたものをつたない中国語で値段交渉して買った。この様な買い物が好きだと言う人も結構いるのだが、私は面倒くさいのであまり好きではない。後から聞いた話によると最初は相手が提示して来た価格の1/3を希望して、そこから交渉が始まり、大体半額〜2/3位の値段で買うのが普通と言う事だ。延々1時間位粘ると言う人も居る。(もちろんそこそこ高い品物に関してだが)
今日は夏服を買うつもりでいた。こちらで着棄てて帰るつもりなので安いTシャツを探していたのだが、衝撃的なくらい着れる服が無い。たかがTシャツと言うのに、ことごとく変なデザイン変な模様変なロゴ、今ここにユニクロがあったらものすごくおしゃれな店に感じるだろう、と思うくらいひどいのだ。どうせこちらに居る間しか着ない、と割り切ったとしても無理である。友人に聞いたところによると「ものすごく一生懸命探せば1,2枚着れる服が見つかる」らしいのだが、そこまでする情熱は私には無い。まあなんとかなるだろう。
今日はシュウちゃんからの誘いだったため、やはり食事やお茶の支払いは全て彼女がしてくれる。しかも明らかに学生の彼女には不相応な良い店に私を連れて行き、食べきれない程注文をして歓待の意を表してくれるのだ。彼女の実家が農村で決して裕福ではない事も知っているだけに気がとがめて仕方ない。こうした「割勘はしない、誘った側が払う」と言う習慣の背景には、外国人には理解不能な中国人の「面子」があるのだろう。日本の場合、例えば上司が部下に奢るとか男の子がデートの時に奢るだとか言った形で面子を気にするのが一般的で、同等の立場ではそれはほとんどない。同等の立場でもいわゆる「宵越しの銭は持たぬ」的「粋」な奢りもあるが、これは「面子」が持つ性質と対極にあると言っていい。「面子」はこの様な生活レベルでは大した問題ではないのだが、企業間、国家間レベルで出てきた時非常に厄介な代物になることが多々ある。私にとっては以前から興味深く感じていることなので、またそのうち直接中国人の考えを聞いてみたいと思っている。