乙丑/曇り後雨

今朝ジョギング中、スーツケースをひく親子に「招待所はどこですか」と話しかけられた。午前6時の大学構内で、まさか招待所の場所を聞かれるとは思いもよらなかった。招待所と言うのは、中国人専用の格安宿泊施設のことである。ちなみに外国人は招待所には泊まれず、賓館・飯店と言われるホテルに泊まらなければならない。まあ、招待所と言うのはたとえ可能でも、決して泊まりたくないような所らしいのだが。(なんとなく想像はつく)
昨日ちょうど、道を尋ねられた時の答え方練習をしていたと言うのに、場所がわからなければ「知らない」としか答えようがない。実践練習できず残念だったなあと思いながら3周目を走っている時、その親子が「賓館」に入って行くのを発見した。「賓館」は私が住んでいる寮の隣にあって、毎朝ご飯を食べに行く場所である。まさかここが招待所と言う事はあるまい、と思いつつ顔見知りの支配人に確認すると「そう、ここは招待所だ。知らなかったのか」と言われてしまった。
この出来事で最も重要な点は、私が招待所を知らなかったことではなく、道を聞かれて(教えるまでははしなかったが)どこに行きたいかをちゃんと聞き取れたことなのである。ささやかな進歩ではあるのだが、道を聞かれて聞き取れずむなしい思いを繰り返して来たので私にとってはなかなか嬉しい出来事であった。