蒼穹の昴、読了。昨年来、春秋戦国にはまってしまっていたので、近現代史にはそう惹かれていなかった、のが、猛烈に興味が出て来てしまった。日本も絡むからまたおもしろい。
歴史、について考える。私は歴史小説が大好きだけど、それはただ単純に感動したり登場人物に感情移入して楽しむものであって、「歴史」とは違う。歴史とは、感情をいっさい除外して、事実のみ(と言っても、過去の出来事を示す歴史と言うのは全て伝聞に過ぎないため、絶対的な真実と言い切ることはできないのだが)を認識するものなのだ。歴史において、日本も中国もアメリカもイギリスもドイツも過ちを犯している。そこで起こったことを、現在を生きる私たちはただそのままの事実を、限りなく真実に近い事実を知らなければならない。異なる場所、異なる時間、異なる状況において起こった過ちを天秤にのせることは不可能なんだし、私たちはこの国が過去に起こした過ちについてなんら感情をはさまずただ認識することしかできないのではないだろうか。それは、多分、中国もアメリカもイギリスもドイツも同じなんだ。許しや怒りや同情や悲しみなどの感情が、そこにあったことを認識すること、その感情にむやみに同調するのは浅はかなことだ。
だから私は知りたいと思う、知らなければならないと思う。
うまく言葉にするのは難しいな。