ヒロコさんから泣きながら電話がかかってきた。こういう時、人はどういう反応を求めているのだろうか、私は、彼女が求める反応をしてあげることができたのだろうか。そういうことを考える。私は、とりあえず彼女の位置に自分を置き換えてみる。そうすると、そうだな、多分「うん、うん」って聞いてくれるだけで、ありがたいに違いない。それを求めて私は誰かにそのことを言うに違いない。彼女の気持ちをわかってあげることは不可能だし、実質的にそれを解決してあげることは恐らく無理なので、不用意なことは言えないもの。
辛いことは、時間が解決する、というか、きっと、時間しか解決してくれない。しばらくはずっと思い出して辛くなるに違いないから。悔しくて仕方ないだろうから。
話したい人が、ひとりいる。ただ邂逅を待つのみの私はどうしようもないんだ。

ジョギング30分。